植松敬 藤牧幸一 笹川翔平 岩沢志気
再生可能エネルギー拡大の「切り札」とされる洋上風力発電をめぐり、秋本真利衆院議員(48)が6千万円超という巨額の受託収賄容疑で逮捕された。一部の賄賂の受け皿とされたのは業者と作った「馬主組合」。GX(脱炭素化)を重要課題に掲げる岸田政権に、事件は政治的、政策的にどんな影響を与えるのか。
秋本議員は2017年ごろ、日本風力開発の塚脇正幸前社長(64)=贈賄容疑で捜査=と知り合った。2人は馬好きの趣味が一致し、21年に競走馬を保有する馬主組合「パープルパッチレーシング」を設立。20頭ほどを保有してきた。
東京地検特捜部は今春には秋本議員周辺の資金を調べており、特にこの馬主組合に注目した。
組合の表向きの出資者と割合は、秋本議員が45%、塚脇氏の知人の税理士が45%、秋本議員の知人が10%だった。塚脇氏は「小生の名前が出るのは避けたい」と知人に名義を借りていた。
出資者「秋本議員が全て運営」
組合では、馬の購入、交配、厩舎(きゅうしゃ)やえさの管理から出走調整まで、全て秋本議員が行っていた。
税理士から聴取すると「名前を貸しただけで、秋本議員が全て運営している」と説明。競走馬をめぐる経費の税務申告には、節税効果がある「減価償却」が認められるが、秋本議員は組合保有の馬について、持ち分を超えて1人で全て計上していたことも分かった。
一方、資金は足りなくなれば…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル